●きょーふのちかてつ☆
　そこからまたタッタカ歩いて今度はポワソニエールというメトロの駅へ。これもすぐ見つかった。が、地下へ下りていく階段の先に見てしまった。アレ....
「イヤだあーあれだよまたーっ！！！」
　そう、恐怖・トラックバー式自販機じゃあ（泣）。
「うっわー、まいったなぁー。あれかなあ、ユーロ導入だからかな」
「前回は準備段階だったのかもね」
　おそらくその通りで、今回は普通にパリジャンな人々も不慣れなハズ（前回もこれでマトモに買えている人は少なかった。前回参照）で、横に女性スタッフが常駐してオペレートしてるではにゃいか。これなら心配無用。頼んでしまえばよろしい。んが。

　必要な分のコインがなかった我々、当り前のように札で買おうと思ったら、この機械は札対応してないらしい。こんないっちゃん最新のマシンなのに！！　アンビリーバボゥウ。しかも機械は1台しかない（！）。じゃあ窓口で、ということで行ってみたら、バカでかいオバさんに「ノン！」の一言で済まされる。。。（大泣）。
っていうか、泣き通り越してちょっとムカツキ。日本だったらこういう対応はしないだろうよ。。。
「しょうがねぇ。どっかで崩してくるしかないな」
　気丈にも王子はまた階段を小走りで登り、すぐ近くのタバコ屋へ。あぁ、待ってぇーお兄たま〜。

　パリっていうとイメージできるような典型的なタバコ屋で、ちょっと怖い店（アメリが働いてた店をもっとダークにした感じ）。入口近くに膨大な種類のタバコとちょっとしたお菓子を売るエリアがあり、その奥がバーになっていて昼間（っていうか朝）なのにおっさんたちが飲んでるよ（泣笑）。店内はシガー系の甘い香りが充満。
「にーたさん...ドロンジョ様だ！」
　そう、カウンターの向こうに鎮座しているのはなんとも迫力系の年増のお姉たま！（笑）　俺だって怖い、あんなオバハン。。。地下鉄のザジとかにも出てきそうかも。
　怖がる王子の背中を押し（俺って最低）、王子はどうにかレジ横のチョコレートバーを買い（まただよ）、無理やりコインを作る。足元にはオバハンの愛犬らしい“シーザー”って感じのクルクル犬がいて、コイツだけは愛想がよろしい。
「よしっ、作戦成功！」
　逃げるようにポワソニエールへ戻り、今度は無事にチケットを......

「ぅあーたたちあーたたち！！！！」
　うっわー、ここにもキャラ濃すぎるオバハンがあー（泣）。朝っぱらからココで何してるんざんしょう？　ちょっと酔ってるらしき豪快オバハン（横に広い系）がバカ笑いしつつ王子にカラんできた。うっ、ここはお付きの者である俺サマが王子をお守りしなければならぬ！！
　だがよ。
　それを怖がりもせず真剣に聞いてる王子（笑）。必死にヨッパライのフランス語を聞き分けようとしているらしい。俺は王子が襲われないか心配で心配でー。。。しかもその横にさらにいた東洋系のおっさんにも何か聞かれ、王子は
「のんっ。あいむじゃぱにーず」
と答えている。で、立て続けに喋りまくるオバさんには
「あ、そーか！！　そだねそだねー」
「うっわー、気ィつけるね！　メルシィっ。カハハハハっ！」
と同じテンションで日本語と英語まじりで会話が成立...（ハタからみるとスゴく不思議な光景だった）。

　無事にチケットが手に入ったんで、俺は怖くて王子をひっぱってそそくさと改札を抜けたが、王子はオバハンたちに
「おーるぼあ〜る！」
と手まで振っている（泣）。
「ちょっとー、なんだったのよー（大泣）。アンタもアンタで何なごんでんのさ！！（怒）」
「いやね、僕が財布を手に持ってたでしょ？　スリとかいるから危ないよって、ちゃんと仕舞いなさいよって説教されてたの（笑）。あのおっさんは中国系だって」
　......って、よく理解できたな（関心）。
　しかしこのヒトの海外でのみ発揮される凄まじい和み能力もちょっと心配よ。悪いオンナ（オトコ）にひっかかんないでねー......。
「んま、プチっと怖かったこたぁ怖かったけど（笑）」
　それ聞いて安心したわ、プチっと。