その日、僕と友人氏は夜になってからユーロスターでパリから帰り、24時間営業のホテル併設パブで反省会をした後、ホロ酔い気分で部屋へ帰ったのです。
その数日前ぐらいから気にはしていました。バスルームのトイレットペーパーの在庫がゼロになり、現行稼動(笑)しているものも、もう残り少ないことを......。しかもその日の朝、テーブルの上にコーヒーをこぼしてしまったのを拭くために、一気に使って更に少なくしてしまっていたのです。でも毎日ルームメイクは入るから、気付いて在庫補充してくれると思ってたんだけれど......。
それがその時になって、友人氏の何ともフヌケた声での
「トイレットペーパーないよーん」
という言葉で、あえなく補充されていないことに気付いたのでした。
酔っ払っていたことも手伝って、その驚愕の事実に直面した我々は夜中の2時過ぎだというのにある計画を立てたのです。
そう、トイレットペーパー強奪計画(笑)。
僕らが狙ったのはGFのロビーの横にあるトイレ。人けのないホテル内を足音を立てないように移動、無事に目的地へ降り立った我々がまず目指したのは“ジェントレメン(友人氏風)”。
んが! どこにも在庫が見あたらない!
ので次にその横の女性の方へ侵入。でも清掃用具の入っているドアを開けても、洗面
台の下を開けても、どこにも在庫がないの!
しかたなく我々が、現行稼動しているものを盗むという「さすがにそれだけはしたくなかった」(友人談)犯行に踏み切ろうとしたその時、ドアの向こうに足音が...!
大あわてで僕らは個室に“うわうわうわあ!”と逃げ込みました(笑)。なぜなんだかそんな時間にロビートイレに入ってきた(おそらく)オバちゃんが無事に出ていくまで、我らは息を殺していたのであります(爆笑)。
「ふーぅ、行ったね」
と、ドアを開けようとした瞬間! 友人氏が「ああああー!」と、これまたフヌケな声を上げた。
「在庫、あるじゃん!!!」
もちろん個室の方に在庫がないかどうかは一番最初に確認したハズなのです。その時は絶対になかったハズの在庫が、まるで我々のためにという佇まいでたったの1ロール、そこに鎮座しておったのでした。
僕の着ていたジャケットの中に隠すように仕舞い込み、忍び足で部屋に戻る。ドアを閉めた瞬間に一気に緊張が抜けてベッドへなだれ込み(笑)。
友人氏も感謝のポーズで天上を見上げて曰く
「神は我々にトイレットペーパーを与えたもーた」
......(爆)。
もちろん、次の日の朝にちゃーんとロビートイレに「ありがとう、神サマ」と言いながら返しておいたのはもちろん、次のルームメイク時に無事に在庫補充されたのは言うまでもありません。
人間、酔っ払うと何をするか分からないものです。冷静に考えれば、一体ナニをバカなことしてたんでしょう、我々は...(しかも本人たちは相当楽しんでいた)。みなさんはこういうこと、ヤメといた方がいいね(笑)。
友人氏は後から 「っちゅーかーぁ。フロントに電話すりゃ済んだことなんだよねー...」
と、遠い目をしながらツブやいていました(泣)
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