■vo.9 ロンドンの夜は長し。
そういえばパブっていうのは11時にクローズになるのがお約束。早いのだ。ご多分に漏れず最近はこの限りではない店もあるとのことだけど、やっぱり基本的には11時。たまに“飲み干し分の猶予”みたいのがあるけど(笑)。
これも古い法律の名残り。こういうのをいつまでも守ってるのが英国らしい。でも11時過ぎても呑んでいたい人(僕だ)が全員行き場を無くすかと言えばココはロンドン、そんなことはまあーったくナシ!(笑)。
ちなみにあのホテルにはほぼ24時間営業のパブが併設されているから、たいがい僕は睡魔に襲われるまでそこにいるし(襲われても3分でベッドに辿り着けるからな)、遅くまで賑わってるバーもたくさんあるし。あとはクラブだったり、ヴェニュー(ライブハウス)だったり。
人気のバンドが出るような時は最初にどっかでチケットを手に入れてないとダメだろうけど、僕はそのへんにある普通
のヴェニューを試しに覗くって感じなので、たいがい遅く行っても入れてしまうことが多かった。人気のあるトコとかはけっこう並んじゃって大変みたいなんだけど。
曜日によってジャンルがかわったりもするし、そういう情報は、本屋はもちろんニューススタンドなど、どこにでも売ってる情報誌「TIME
OUT」で確認しといて安心。
たぶん、相変わらずイーストエンドあたりには人気ヴェニューが色々あるだろうな。イーストエンドはかつて、あんまり治安良くないというか、ステキな場所ではなかったんだけど、色々あって若いクリエーターがこぞって出ていくようになってからすっかり様変わりした。昔は切り裂きジャックの街という感じだったらしいけど、現在はとにかくギャラリーの数が凄まじく、とりあえず最先端のアートを観たいならテートモダンと併せてイーストエンド方面
へ行くのが定番。僕もデザイナーとして勉強になるし、すんごく面白い飽きないエリアだと思ってる。なんかこう、独特のコミュニティのような雰囲気がする。
今では英国のロックもポップも(昔、ブリット・ポップなんて言葉もあったなあ)元気がなくて政府も問題視してるみたいだけど(!)、どうなんでしょ。
オアシスやブラーなんが一番騒がれた頃の勢いは確かにないかもしれないけど、別
に盛り上がってようが下がってようが好きな音楽は好き、っていうスタンスだから、僕的にはあんま関係ないんだよなあ(すんません)。
僕が英国の音楽で初めて「格好いい!」と思った記憶はTレックスやボウイといったグラムロック。あとはクイーンなんかももちろん全盛期は(?)実体験してないけど、遡って聴いてもう無くてはならない存在。
社会人になってから更にUKに傾倒するキッカケになったのはレディオ・ヘッド。まぁその経緯を話し出すと止まらなくなるので言わないけど、とにかく彼らには生き方変えられるような思いをしたもんで......。
今現在は別にUKばかりにこだわってないし、レッチリ、リンキンパーク、インキュバス、M・マンソン、J・アディクションなどUS勢で大好きなバンドも色々あるし、いいと思ったら何でも聴くんだけど、でもやっぱりUKの独特な魅力にはずっとやられっぱなしでいる。
プラシーボ、コールド・プレイ、ミューズ、マンサン、ダヴス、ウィーザー、ザ・ミュージック、プライマルスクリームその他色々、新旧良いバンドが山ほどいるんだから。
英国のバンドの音やPVの映像、ビジュアルには共通して流れている“なにか”があるんだけど、それをコトバにするのはとっても難しい。強いていうならドヨンと重苦しいけど心地良い空気感というか何ていうか......。それが1回ハマってしまうと抜け出れない魅力。
僕もそれにはデザイン上やCG製作の面で、相当な影響を受けてます。
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