■ INIT BRIT from MAIL MAGAZINE POSITIVE ZOO

■vo.13 FL350の暗闇。

 今日も天気がいいねーぇ。英国というといつも雲っているというイメージだろうし、確かにそうなんだけど、こうやって晴れてる日は本当に“どこまでも続く”っていう感じの青空が広がる。青の色も深い。ただしこの街の天気は一日のうちでコロコロ変わるんだけど。

 こういう天気がいい時には、飛んでる旅客機がけっこう大きく見えたりする。自分もあれに乗ってきたんだよなーって、不思議に思うわ。あれだけ大きく見えるってことは着陸体制入ってんのかなあ?
 そういえば前に着陸渋滞に遭った時、シティ上空をしばらく旋回した事があったんだけど、窓からビッグベンやロンドンアイ、タワーブリッジが手の平にちょうど入るぐらいの大きさに見えるほどだった。あれ、相当に高度下がってたんだと思うけど、CAさんの即席ガイド付きで感動的だったよー。

 僕、飛行機が大好き。友達とかはあんまり好きじゃない人が多くて、英国なんていうと“12時間も乗ってらんない!!”ってよく言われる。僕にとっては“12時間も乗れるなんて!!”ってトコなのに(笑)。

 その12時間の間に、好きというか気になる時間帯がある。それだけ長いと“おねむタイム”ってのが必ずあるでしょ? みんな窓を降ろして個人モニタも消して、照明が消されてCAさんの行き来も少なくなる。暗い中でホントにシーンと静まり返るあの時間帯ね。
 周りを見ると、みんなブランケットかぶって寝ちゃってるけど、僕はたいがい、あの時間、最初だけは目を覚ましてあちこちを観察してる。

 聞こえるのはエンジン音というか、あの独特な音が機内に充満していて、でもそれは12時間ずっと続くものだから、いつの間にか“無音”と認識する。
 そんな何も聞こえない空間なんだけど、不思議な錯覚に陥る感じがする。なんかまるで、次元の割れ目に落ちたみたいな、現実味がない状態。
 ヒースローに着いて向こうでの滞在中はそんなことないのに、帰国して自分のベッドで暗闇に包まれていると必ずあの音が蘇ってくる。もう機内ではないから、それはものすごい耳なりのような状態で響いてくる。そんな状態が何週間か毎晩続いちゃうんだ。ヒドい時はそのせいで全く眠れず、結果 、不眠症になるぐらい。旅を終えて身体は疲れ切っているのにこれはかなりツラい。
 機内の中ではそれでもいつの間にか眠ってしまい、いつの間にか暗闇は消えて、そして次の瞬間にはグンとロンドンに近づいていることに気付いてハッとする。その後に顔がニヤけるんだけど......。

 僕にとってあの暗闇が、ロンドンへの近道トンネルのように思えてくる。帰国便では暗闇も何も関係なく12時間フテ寝するから、その感覚......日本への近道のようには思わない。帰りたくもない場所に帰らなければならない立場にいるのだから、せめて近道なんてしたくない。回り道したいぐらいだ。

 自宅であの感覚が戻る夜、目を閉じて、次に目を覚ます時はロンドンで......という錯覚に陥るけど、やっぱりどこかでは、そんなの有り得ない事も理解してるから、そのたんび、どうしようもなく哀しい気分に落とされる。数週間もそれが身体から抜けないのは、やっぱり自分が強烈にココに戻りたがってる症状なんだろうな、とか思うこともある。

 っとまぁ、朝からくだらない話を長々と聞かせてまいました、スマンね。
 さ、天気が崩れないうちにとっとと出発しよっか


■ITEM GET!!

●飛行機好きっス(マニアじゃないけど)

実際あの“おねむの時間”に突入している時の高度がどれぐらいなんだかは知らない。
その時のフライトによっても違うだろうしなぁ。
だからタイトルの“FL350”は適当(笑)。
ちなみにFLはフライトレベルの事。FL350は高度10,700m。

 

 

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